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認知症 社会の新しい課題

大きな病気、障害、経済的困窮は、誰にでも「起こりうる」大きな問題です。 本人、あるいは家族がそうなってしまったら、大きな金銭的、物理的負担が生じます。 それで、生活が追い詰められるのは不幸であるということで、万が一そうなっても、社会全体で支えていきましょうというのが、近代国家の意義です。 

・病気になっても経済的に破綻しないようにする → 医療保険制度
・障害になっても、できる限り普通に生活ができるようにする → 障害者への各種支援
・加齢に伴う障害をもった高齢者の生活を面倒見る → 介護保険制度
・何らかの理由で経済的に困窮する → 生活保護

こういった問題に該当するヒトの割合が増えてくると、皆の負担も増えていきます。 ここに、現在の日本の社会運営の難しさがあります。 

ただ、おそらくその負担は納得してもらえるはずです。 しかし、行政を中心にした運営側が誠実にやっているという前提つきです。 現状は「誠実にやっていないのでは?」という疑心状態です。 市民側の行政に対する疑心、行政側のその無自覚という、大きな溝があるのが現状で、誰かがその橋渡しをする必要があります。 政治家しかおりません。

さて、上記のような、「社会で支えなくてはならないヒト」のうち、もっとも増加するのが高齢者(医療、介護)で、激増に近い状態です。 特に増加するのが、75歳以上で、2005年には1000万人強だったのが、20年後には2000万人を越えます

高齢者は一般にリタイアする65歳以上とされていますが、まだ健康そのものの方が多く、社会で支える必要が出てくるのは、75歳以上高齢者です。
医療費も65歳以下は22万円前後ですが、75歳以上はひとりあたり80万円以上です。
また、介護の方も、74歳までは要介護で3.3%ですが、75歳以上になると21.4%です。

この激増の一方で、働く人口は減っていく。(20歳以上64歳以下人口が2005年7800万人、2025年で6600万人) この見通しに対して、これから10年間どういう手を打つのかが、まさに政治の仕事になります。

そして、この75歳以上高齢者の激増で、大きな社会問題になるのが、認知症高齢者の激増と、単身世帯高齢者の激増です。 今回は、認知症を取り上げます。

認知症は、脳の機能障害が起こり、知能が低下し、通常の社会生活が困難になる症状です。 重い症状では、通常のコミュニケーションが成立せず、また、徘徊や妄想、異常行動もあり、支える家族には極めて負担の大きいものです。(身内だけに何とかしたいと思うが、何もできないし、コミュニケーションが成立しないという絶望感で、精神的に疲労する)

若年性はドラマでも取り上げられますが、人数としては小さく(ゆえに、社会的なサポートを得にくいという問題がありますが)、多いのは高齢者です。特に75歳以上で症状を持つ割合が増えます。 
「認知症」であるという症状の確定が難しく、正確な統計がないのですが、200万人弱で、65歳以上人口の8%くらい(2500万人×8%=200万)と言われています。

しかし、年齢ごとに発症割合はあがり、80代前半で15%、80代後半で27%と言われ、高齢の高齢者が増える今後は、認知症患者は激増します。 
75歳以上人口が2000万人を超える2025年には、350万から400万人くらいになるかもしれません。 (いろいろな推計データがあります)

確かに、この人数には軽度、重度がありますが、「認知症」と診断されれば、通常の社会生活はかなり難しくなってきます。 この難しいヒトが、300万人以上、すごい人数です。 二人を一人を支えても、ヘルパーで150万人必要。 ヘルパーの給与が年間250万円だとしても、年間3.75兆円です。 (実は、大きな公共事業。 あとは意識的に高い単価を設定すれば参入業者が増え、建設関連に変わる大きな事業になります。 ただし、規模は、高齢者の人数に比例するので、地方への経済効果は小さくなってしまいます。 ダムや無駄な道路を作るほどの経済インパクトはありません

認知症の方を支えることは、かなり心理的に負担が重いものです。
認知症の方とは、普段のコミュニケーションが成立しません。 知能障害があるからです。 また、認知症の方には、通常の「相手を考える」という意識が低くなり、「自分の感情」のまま活動するようになり、まるで大きな子供です。 身内のヒトは、昔の状態を知っているだけに、「その落差」に落胆するし、相手に振り回されるだけで、感謝のかけらもない、大きな子供のお世話に疲弊するのです。

だから、社会で対応しようとしたのですが、人数があまりに増えていくると、社会的にも経済負担が大きくなってきました。 しかし、それでも対応すべきなのです。
政治的な大胆な投資決定と、現場におけるイノベーションが明らかに必要です。

それを、貪欲にする人が少ないかもしれません。 特に、政治家に。

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