政治家の評価はイメージ、缶コーヒーと一緒
【やっていることはメチャメチャだけど 石原慎太郎知事】 日刊ゲンダイネット 09.2.12
タブロイド誌は、権力者を叩くのが役割なので、細かいことでも「噛み付く」ことが原則です。今回のニュースも、本来はもう少し別の視点で見ないと、偏った事実認識になりそうなので、そのまま取り上げたくはないのですが、話のきっかけとして利用させてもらいます。
記事によると、9000億円のハコモノ改修計画が進んでいるという。 オリンピックのための準備金も、この4年間で4000億円だという。 お金持ちの東京都で、やりたい放題というのが、記事の主旨です。
石原都政は、実はびっくりするくらい、有名な割には、大きなことは何もやっていません。 やったことは、新東京銀行くらいで、これは大失敗。 1000億円出資して、さらに追加出資400億。 おそらく、今後さらに追加費用が必要と思われるくらい、事業として大コケしています。
(治安活動の徹底や、ディーゼル規制や羽田利用拡大に見られる国とのガチンコ勝負など、確かに、他の知事ではありえないであろう実績もありますが、教育や福祉医療系は、目新しいものありません)
オリンピック誘致も、どうなのでしょうか。
でも、人気は抜群です。
もともとアンチ保守という作家としての作品傾向、国に対して「堂々と文句を言う」強さ、(ワンマンに近いくらいの)リーダーシップを感じさせる話し方など、現状の政治家や役人と戦うイメージがあるところが、その人気の背景だと思います。
テレビ政治は、何度も言うように、「イメージ」です。 今、必要なイメージは、既得権に凝り固まって、何もできない役人や政治家と戦うイメージです。 「マニフェスト」をもとにした、具体的な政策や、政策を進めるための周到な計画は、ほとんど注目されません。
このイメージをどう作り出すかが、選挙マーケティングの大きな部分を占めると思います。 マニフェストも、そのイメージ作りのひとつの道具に過ぎません。
しかし、「イメージ」で選挙に通っても、やはり「行動計画」がなければ、実際に政治は変わりません。「行動計画」のためには、自分の「理想社会イメージ」と、詳細な「現状分析」が必要で、経験から熟成させた洞察力と哲学観、それに、相応の勉強と、大変な準備が必要です。
現状の政治家は、この「行動計画」は横に置いて、結局「イメージ」作りの戦い合いになってしまっています。 「社会を変える」ことよりも、「選挙に通る」ことが主目的になってしまっているからです。
もちろん、選挙に通らなければ、社会を変える入口に立てないのですが、入口に立っただけで満足している政治家がほとんどです。
勉強家の菅直人でさえ、自分の活動の7割以上は「選挙活動」と言っていましたが、勉強不足について「選挙活動」を言い訳にしては本末転倒です。 「社会を変える」ための政治家になるために、「選挙活動」をしているのです。
政治学者やマスコミは、政治家の「理想とする社会観」や知識量について、もっと取材をして分析をしてもらいたいです。 政治学者は、制度分析でお茶を濁しますが、それは若いうちに終わりにして、生々しい政治の世界を分析をしてもらいたいものです。 それこそが、社会に役立つ政治学だと思います。
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