ヒトには社会が必要、ヒトにとっての社会は「働く場所」
【ユニクロ柳井社長とドラッカー その2】 NHK 知る楽 2009.6.25
ユニクロの柳井社長の、ドラッカー論です。 番組自体は第4回目(最終回)ですが、私は2回目のエントリーになります。 前回はこちら。
今回のキーフレーズは、「企業は社会の道具」。
ドラッカーはヒトに注目して、ヒトから発想しています。 そして、ヒトの幸せを追求しています。
ヒトは、社会的動物(存在)であるがゆえに、ヒトが幸せであるには、自分の居場所が社会の中にあり、同時に社会の中での役割があることが必要と唱えます。(『産業人の未来』より)
つまり、ヒトには社会が必要であるとしています。 (また、社会における権力の正当性も挙げていますが、割愛します)
社会における企業は、そこで働く人たちに、居場所(position)と、役割(role)を与えることが必要で、居場所とは、生産的な仕事を通した、生計の素、仲間との絆、自己実現の場の総体であると唱えます。
しかも、それは企業が従業員に一方的に与えているという一方通行の話でなく、企業も、そのような従業員を必要とし、いなければ企業も成立しないという、相互を必要としている関係なのです。
だから、柳井社長は、会社と従業員が相思相愛でないといけないと考えているようです。
会社の社会での役割(価値)を明確にして、そのために仕事をするという考えに共鳴してくれる従業員という関係を作らなければならないと言います。
(日経ビジネス090601 44P)
トップの仕事は、企業の社会における役割=価値を明確にして、それをブレずに言い続けることだと断言します。
だから、柳井社長は、「服を変え、常識を変え、世界を変える」というキャッチフレーズを作り、「あらゆる人に、良いカジュアルウエアを提供する」という社会的ミッションを言い続けます。
「あらゆる人」というところがポイントだとも言っています。
お金持ちも貧乏も、服好きも、服に関心がない人も、あらゆる人にとって、良いカジュアルウエア。
安いだけのカジュアルウエアでなく、デザイン、機能、価格すべてで納得できる価値を持つ服、それが「あらゆる人」にとっての、良いカジュアルウエア。
壮大な社会的ミッションですが、柳井社長だと、やってしまいそうです、笑。
もちろん、従業員の居場所は、会社のミッションだけで成立するわけでなく、日々の仕事のダイナミズムやコミュニケーションが大事なわけですが、そういったモノの根幹が、ミッションなのかもしれません。
ちょっと抽象的で、霞のような話ですが、大変本質的な話だと思っています。
大企業では、どんどん役割が分化し、居場所と役割が中途半端になっていきますが、それをどうユニクロは打破していくのか?
京セラはアメーバ経営、ミスミはスモールビジネスユニット経営という形で、バーチャルに企業を分割し、小さい単位にして、従業員の居場所を作り上げています。
ユニクロも企業買収を通じて、規模を拡大していますが、ユニクロのように、業績も良く、そして社会的にも意義があり、従業員にとっても大切な社会の場という3拍子揃った会社は、まだ生まれていないようです。
(セオリーも業績だけ良い、普通の会社です。 最近は業績も厳しくなってきましたが)
哲学と、実際の経営を結び付けようとしている柳井社長は、いずれにせよ、素晴らしいです。
彼は最後に言っていました。
「ドラッカーを実践しましたと、言いたいです」
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