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社長が顧客を一番知らない、市長が市民を一番知らない

【ユニクロ柳井社長とドラッカー】 NHK教育 知る楽 2009年6月18日

Photo 大好きなユニクロ柳井社長の、ドラッカーを通した経営論です。
今回のキーワードは、「知識労働者」。
工場生産における仕事観から生まれた、「決められたことを、きちんとやる」という仕事のやり方でなく、「目的達成のために、自分自身が最適なやり方を考えて、仕事をする」という働き方をするのが、知識労働者

柳井社長は、「自分自身が持つ知識を使って、仕事をする、つまり顧客にサービスする」働き方だと言っています。

柳井社長は、小売業における、チェーンストア経営モデルを真っ向から否定します。
店長→スーパーバイザー→ブロック統括→営業部長という、管理店舗数の大きさが、出世のヒエラルキーになることは、全くおかしいと断言します。
なぜなら、どんどん現場(顧客)から離れていくヒトに、顧客にとって最適なサービスは何かなんて、わかるはずがない!からだそうです。

全くその通りです。 柳井社長いわく、「社長の言うとおりにやっていたら、会社は絶対におかしくなるんですよ。
だって、社長は、現場から最も遠いですから」と。
だからこそ、現場に近づこうとする柳井社長もいるのですが、それでも、現場の店長にはかなわないという、本質的な気付きがあります。

だから、ユニクロは、顧客に一番近い店長が一番偉いという組織体系を作っています。 最も優れた店長は、役員待遇だそうです。
数百人の店長のうち、最も優秀なスーパースター店長は、現在11人。 その一人である、千歳船橋の店長さんが番組では取り上げられていました。

小売業は、膨大な顧客の声(ニーズ)を商品開発、広告、販売方法に、クイックにどう反映していくかということに尽きると言います。
その顧客の声に気付き、洞察し、商品を、サービスを、広告をどう軌道修正すべきかという提案をできるのが、顧客に近い店長しかいないと言います

店長は自らの気付きに従い、自分の店を変え、そして会社全体に提案し、他のお店や、会社の商品、広告を変えることになります。
ユニクロの本部は、店長の提案に対し、必ず返答しなければならないというルールがあるそうです。

店長が主役というのは、建前としてよく聞くのですが、ここまでやり切っているのは、さすがユニクロです。ユニクロの現場は強いという理由がわかります。

ユニクロは、良い循環を作り出しています。
「良い商品→高い売上→高い収益性→高い給与→優秀な人材が集まる→優秀な人材を活かす、経営の仕組み(店長が現場の声を洞察し、会社全体に流通させる。
そして、それが評価される)→良い商品、良いサービスが強化される→ますます高い売上→高い収益性→高い給与、、、、、、」

他の小売店が、ユニクロのようにならないのは二つの理由があると思います。
ひとつは、社長自身が、そもそも柳井社長のような発想をしていないこと
「店長が、顧客の声を把握して、それを流通させ、その店長の情報をもとに経営する」という発想はありません。
「本部が考え、店長は本部の言うとおりに販売する」という発想です。

その理由が、もう一つの理由でもあります。
社長が、「店長が、顧客の声を把握できるなんて、できっこない」と、無意識に考えていることです。 これは、ある意味で事実です。
「顧客の声」と一言でいっても、実は奥が深いのです。

顧客の声は、顧客がどうして来店したか、お店で何を感じたか、どの商品を評価したか、あるいは評価しなかったのか、それはどうしてか、お店(ブランド)にどんな印象を持っているのかといったことの総体です。
顧客は、お店に対して直接声に出す場合は少なく、顧客同士の会話や、商品を選ぶときの行動(店内の動き方、商品のチェックの仕方)、商品の売れ方など、こういった事実から、顧客の声(ニーズ)を洞察する必要があるのです。
顧客の行動から、顧客の気持ちを察することなのです。

高度です。 「顧客の何を見るか、どう解釈するか」という、基礎的な素養がなければ、顧客の声は、表面的なものしかわかりません
こういうクレームを言われました、これが売れています、こういった事実も極めて大事なのですが、それ以上に、顧客の声は広がっているのです。
その声をすくいあげるには、相応の力が必要であり、ユニクロは、その力をつけさせようと、組織的に動いています。

顧客の声は店長が一番わかっていて、社長はわかっていないという事実。 これは、組織が大きくなればなるほど、完全にあてはまります。
行政組織でもそうです。 市民の声は、現場の職員が一番よくわかっていて、市長はわかっていないという事実。 間違いなくあてはまります。
その事実を克服して、市長はどう組織運営を行うべきか。 柳井社長のやり方に、多くのヒントが隠されています。

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